妖精の心を貴方に

「ごめん…ごめん。いや、何かいつもの望美だなと思って」

「え?」

どういう事だろう?

「俺はてっきり、望美は緊張してるんだと思ってたからさ、すげぇ驚いた」

「緊張って?」

「いや、知らないならいいや」

「??」

気になるけど、奈津がいいと言うなら、私も気にしない。

その時、神社の鳥居の近くまで来たところで、放送が入ってきた。

『只今より、大國家による神楽が始まります』

「奈津、神楽始まるって」

「そういえば、聖夜がやるとか何とか言ってたな」

「見に行ってみない?」

「ん……」

奈津が見に行きたくないのは分かっているけど、やっぱり聖夜の神楽は見てみたい。

「望美が見たいなら、見に行ってもいいよ…」

奈津は、少し照れながらそう言ってくれた。

「ありがとう、奈津」

私達は、神楽が見える位置へと移動した。