妖精の心を貴方に

「と、とりあえず行くか…」

「うん」

俺は、望美に自分の手を差し出す。

「えっ?」

「手…繋ごうぜ。はぐれたりしたら大変だからな」

望美は、一瞬ためらったように見えたけど、ゆっくりと俺の手を握った。

望美の手からは、緊張感が伝わって来た。

(はぐれるとか言う俺だけど、ただ単に手を繋ぎたいだけなんだけどな…)

そんなこと、絶対口にしないけどな。

俺達は、大國神社へ向かって歩き出した。

「そういえば、ハヤテは居ないの?」

「あー…、ハヤテの奴どっか行ったんだよな、多分そこら辺でサッカーして遊んでんじゃね?」

「そっか、私はてっきりルルと居るんだと思ったんだけど」

「ルルと?」

「うん、実はルルも居なくてさ、多分先に行って甘い物とか食べてると思うけど」

確かに、ハヤテはともかくルルは先に祭りの方に言ってそうだな。

「そのうち合流するだろ、俺達は俺たちで楽しもうぜ」

「そうだね」