「だ、大丈夫だって!そこまでしなくてもーー」

「よくないの!」

消毒液と一緒に絆創膏を一枚、小早川君の方へと渡す。

「あ、ありがとう」

小早川君は、優しく微笑むと少し痛そうにしながら、消毒液を傷口へと数滴たらす。

その後は、私が渡した花柄の絆創膏を傷口の上へと慎重に貼っていた。

つい、勢いで渡しちゃったけど、よく考えたらこれ凄く恥ずかしい!

絆創膏渡すとか、まるで彼女みたいじゃん……。

「で、莎々原はなんでいんの?」

「それ言う必要ある?」

「なんとなくそう聞いただけ、もう夜だし何してたのかって」

言えるわけがなかった。

先輩たちに絵が破られたこと、突然私の体から出てきた絵の妖精と名乗る女の子に出会ったなんて……。

「ちょっと、遅くまで美術室で絵を描いていたの」

「美術室で?」

「うん」