妖精の心を貴方に

(幻…、だったのかな?)

確か前にも、あの女の子は突然消えた。

今回もさっきと同じく、走っていく足音もしなかったし、気配が無くなった感じはしなかった。

まるで、元々そこに居なかったように、幽霊のように急に居なくなった。

「それに、大変な事になるって…?」

どういう意味だろう?

「考えても仕方がないか…」

私は、奈々美さんのいる部屋へと入って行った。

「……。今日であの子は…」

女の子は、家から離れた位置から、そう呟いた。

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「はぁ…はぁ…」

その頃ルルは、神社近くの森の中でうずくまっていた。

「そろそろ、なんじゃな…」

もう完全に消えてしまっている、自分の左手を見る。

「結局…。望美の心は最後まではっきりしなかった」

でも、望美は向き合うと決めたのじゃ、もうこれで思い残すことは無いだろうし。

私は、茜色に染まりかけている空を見上げる。