妖精の心を貴方に

「それより、菊ちゃんはあの人と上手くやってるの?」

「それ、聞かないで」

菊さんの声が低くなった。

「俺の母さんと親父は、離婚してんだよ」

「えっ?!離婚」

「そっ、俺が小二になった時だ、理由は分からないが、離婚したって母さんから聞いた」

「そうなんだ…」

「女手一つで俺を育ててくれた母さんだから、一応感謝はしてるけど」

奈津ももう少し素直になれれば、いいかもしれないね。

「そうだ望美、おばあちゃんが望美に浴衣をあげるってよ」

「おばあちゃんが?」

「夏祭り行くんでしょ?せっかくのお祭りなんだから、浴衣着ていきなさいよ」

「う、うん」

浴衣か〜、何年ぶりかな着るのは?

「これから、少し浴衣の着付けをしたいって言うから」

「分かった、今行くね」

私は、奈津に軽く手を振り奈々美さんと一緒に家の中へと入って行った。