妖精の心を貴方に

「あれ?」

しかし、ルルの姿は見当たらなかった。

「ハヤテ、ルル何処に行ったの?」

「ルルなら、先に帰るとか言ってたけど、家の中に居るんじゃないのか?」

「そっか」

さっきルルにキツく当たっちゃったから、謝ろうと思ったんだけど…。

(家に居るなら、後でいっか)

「あっ!菊ちゃん?」

「え?」

菊ちゃんって?

声のする方へ視線を向けたとき、おじいちゃんの家から奈々美さんが出て来ていた。

「奈々美!」

菊ちゃんと呼ばれた奈津のお母さんは、奈々美さんの方へと駆け寄る。

「やっぱり、菊ちゃんだよね!」

「うん、久しぶり奈々美!」

奈々美さんと菊さんは、手を上げるとハイタッチをした。