「だから、望美を助けた男ってのが、俺なんだよ!」

「えっ?!ええええ!!!」

えっ!何で奈津なの!てか、奈津何でこんな所にいたの?!

「あの日俺この町に、サッカーの試合で来ていたんだよ」

「サッカーで…?」

「そう、それで雨が激しくなって来たから、中止になってさ、バスで帰ろうとしていたんだ」

「そこに、私が居たの?」

「初めて見たとき、危なっかしいなって思ったけど、様子がおかしくてじっと見ていたら、望美川に向かって手を伸ばしているから、危ねぇと思って手を引っ張ったんだ」

「そう、だったんだ」

なんだ、こんな近くに居たんだね。私を助けてくれた男の子が。

「これで、確信したことがあるんだけど、言っていいか?」

「う、うん」

心臓の音が大きくなっていく。

「あの時言ったよな、また会えるって」

「うん、よく覚えてるよ」

「まさか、俺の言った通りになるなんて、思ってなかったんだよ。てか、もう一度会えるなんて思ってなかった」