「即死だった、私の両親は…。白い布で顔を隠されて、冷たい部屋で寝かされていた」

私は、窓の外を見ながら、あの時の事を思い出す。

今でもはっきり覚えている、二人の冷えた手を。

「それで、二人を殺したのは私なの」

「え?何でそうなるんだ?両親は、事故で亡くなったんだろ?」

「そうだけど、私が両親とちゃんと向き合っていれば、こんな事にはならなかった」

「………」

「私ね、学校で虐められていたの」

初めて言った、私が学校で虐められていることを、今日初めて会った人に。

「じゃぁ、その傷も」

「これは、カッターで傷つけられた跡」

私は、自分の手をさする。

「両親が死んで、私は一人ぼっちになった。両親を殺した私は、生きている価値なんてない…」

「それは違うぞ」

「え?」

私は、立ち上がって私を見下ろしてくる男の子に、釘付けになった。