でも、今更ルルに怒ったところでどうにもならないか。

それに、ルルは『頼ってほしい』って言ってくれた。

私にとって、その言葉がどれだけ嬉しかったことか……。

きっと、当の本人は知らないだろう。

「もう辺りは暗いのじゃ」

「そうだね、早く帰らないとお母さんが心配しちゃう」

「望美、帰る前に水道寄りたいのじゃ。喉乾いた」

妖精でも喉って乾くんだね……。

「いいよ」

門限までまだ時間はあるし、少しくらいなら良いかな。

そう思って、水道へと向かう私たちだったけど、向かった先に“あの人”が居ることを、この時の私は考えてみいなかった。