妖精の心を貴方に

私は、教室に鞄を取って、激しく降る雨の中を走って帰った。

その途中で、救急車の音が聞こえた。

だけど、そんなの気にせず、私は家まで走り続けた。

「はぁ…はぁ…」

私は、家の扉の前で息を整える。

「二人が帰ってきたら、質問詰めかな?」

そう小さく呟き、家の中へと入ろうとしたとき。

「望美!」

「!」

名前を呼ばれて振り返る。

そこに居たのは、びしょ濡れになった奈々美さんだった。

「奈々美さん、どうしたんですか?」

奈々美さんは、仕事の用事で別の町に行っていたはずなのに?

「の、望和実が!!」

「え……?」