「何とぼけた振りしてんの?あんたが私にしたことは、私が一番覚えてる」

「ちょ!痛いよ望美?!私が何したのさ」

「…こいつ…」

私は、夢咲を突き放した。

「私は、あんたなんかに負けないから!」

私がそう言うと、夢咲は軽く笑い声を漏らすと、私を睨みつけてきた。

「じゃぁ、あんたが何処までもつか、見続けてあげる」

この日から、私は夢咲の虐めを耐え続ける日々が始まった。

朝から放課後までは、酷い虐めは受けていない。

だけど、放課後の校舎裏で、私は夢咲に蹴られたり、カッターで傷つけられた。

でも、私は誰にも助けは求めなかった。

誰にもこのことを話さなかった。

でも、クラスの皆はこの事を知っているように見えていた。

夢咲のやっていることを、見ないふりをしている。