「おーすっ!」

「うわぁっ!」

突然、後ろから思いっきり抱きつかれた。

「ん?望美の口元にパン屑が付いてるってことは、朝食はいつものメニューかな?」

「あ〜き〜ら!」

「おっと!」

一発晶に殴りかかろうとしたところで、すんなりと避けられてしまった。

「まぁまぁ、そう怒んないでよ。いつもの挨拶じゃん」

「だからって、毎度毎度後ろから抱きついて来ないでよ!」

「えー?」

晶は、口をポカーンと開けたまま首を傾げた。

絶対「何のことかな?」って思ってるよ……。

茶髪のショートカットで、度の高い赤ぶち眼鏡をかけた子は、私の幼馴染の田星晶(たぼしあきら)だ。