妖精の心を貴方に

それから、数日が経って。

「………」

今日も私の机には、「死ね」「消えろ」「ウザイ」「キモイ」と、チョークで書かれていた。

「はぁ…」

流石にもうこんなのは慣れた、バケツに入った水を被せられることも、教科書がごみ箱に入っているのも全部。

私は、チラッと後ろを見る。

相変わらず皆は、私と目を合わせようとはしてくれない。

夢咲が言っていた、ゲームが終わるまで、このいじめは続く。

(絶対負けない)

私は、あらかじめ用意しておいた雑巾で、自分の机を拭く。

「望美!おはよ」

「あっ、夢咲ちゃんおはよ」

皆が私に関わらないようにしていても、唯一夢咲だけは、私と普通に接してくれた。

「またなの?」

「うん、もう流石に慣れたよ。同じことばかり繰り返されると」

「…でも気をつけなよ!まだ何をしてくるか分からないんだから」

「そうだね、ありがと夢咲ちゃん」

本当に夢咲は優しいな、紀葉と啓太と違って、私を変な目で見たりしない。