妖精の心を貴方に

「大丈夫望美?!教室に来た時、望美が居なかったから心配して」

そっか、私が教室に居た時、夢咲居なかったんだ。

「大丈夫だよ、ちょっと気分が悪くなって、保健室で寝ていたの」

「そう?それなら良いけど…」

夢咲といると安心するな…。

(紀葉と啓太は?)

紀葉と啓太を探したとき、二人はこっちを見ていて、私と目が合うと逸らされた。

「え……」

紀葉は、怯えた目で私を見ていて、啓太は厳しい表情で私を睨みつけていた。

「けい「あのね、望美」」

啓太を呼ぼうとしたとき、夢咲に遮られてしまった。

「何夢咲ちゃん…」

「実は、今望美ゲームのターゲットにされてるのよ」

「ゲームって…」

昨日夢咲が言っていた、一学年の中で流行っているゲーム。

「でも、私誰とも勝負なんて…」

「安心して、望美は私が守るからね!望美は、私の大切な親友なんだから!!」

「夢咲ちゃん…」

そうか、紀葉と啓太はそれを知って、私に関わらないようにしているのか。

だったら、このゲームが終われば、二人は私のところに戻ってくるよね。

それまでなら―――。

「ありがと夢咲ちゃん、夢咲ちゃんが居てくれれば心強いよ」

夢咲といる事にしよう。

「うん」

でも、この選択が私の身をボロボロにしていくとこに、わたしは知る由もなかった。、