妖精の心を貴方に

「あれって、まさか」

私の中で出てきたのは。

―――いじめ―――

(でも、私何もやった覚えなんて…)

その時、私は思いっきり水を被った。

私の頭上から、水の入ったバケツを誰かが落としたんだ。

「えっ……」

今の状況が分からなくて、私は震える手を見つめる。

「誰!私にこんなことするの!出てきなさいよ!」

しかし誰の声も帰って来なかった。

「………」

保健室で予備の制服を借りて、着替えて教室に戻ると、教室の中はいつも通り賑やかっだった。

「あれ?」

さっきまで、あんなに静かだったのに、急にどうして?

私は、落書きされた自分の机を見る。

だけど、落書きされた机は綺麗になっていた。

(誰が……)

「望美!」

「夢咲ちゃん…」

夢咲は、私を見つけると涙目で私を見てきた。