妖精の心を貴方に

「あっ!そういえば知ってる望美?」

「何を?」

「今一学年で、あるゲームが流行ってるの」

「ゲーム?」

何のゲームかな?テレビゲームとかかな?

「それで、噂に聞いたんだけど、そのゲームで負けた人は、ある人に目をつけられるの」

「ある人?」

ホラーゲームとか、そういう感じなのかな?

「だから、望美も気をつけなよ。もしかしたら、変な奴に目をつけられるかもだよ」

「大丈夫だよ」

そのゲームがなんなのかは、夢咲は教えてくれなかった。

一体どんなゲームなのかな?

「ねぇねぇ、望美って私のこと好き?」

「好きに決まってるじゃん!友達なんだから」

「そっか……、ありがと」

夢咲は、軽く微笑むと美術室から出ていった。

「…夢咲?」

私は、この時気づくべきだったんだ。

これが、事件の始まりで、いじめの始まりでもあった。