妖精の心を貴方に

「じゃぁ、撮ります!」

パシャッの音と共に、一枚の写真が撮られる。

「望美ちゃん、クラス見に行こう」

「うん」

昇降口に貼り出されているクラス分けを、一組の方から見ていく。

「えーと……。あった!紀葉と啓太と同じクラスだよ」

「まじか!」

「これで、三年間一緒だね!」

「うん!」

小学校でもクラス替えはあったけど、私達は六年間ずっと同じクラスだった。

「ねぇ、望美ちゃんは何部に入るの?」

「部活に?」

廊下を歩きながら、紀葉がそう聞いてきて考える。

だけど、私は前から入ろうと思っていた部活があった。

「私は、美術部かな?」

「美術部かぁ、望美ちゃんにピッタリだね!」

「そういえば、望美は前から絵を書くの好きだったもんな」

「うん」

小一の時から、暇さえあれば絵に時間を費やしていた。