妖精の心を貴方に

「私達とお友達になろ?」

「え?」

突然友達になろうよと言われて驚く。

「私ね紀葉で、こっちは啓太君」

「よ、よろしくね」

「わ、私は望美!本当に良いの?友達になっても?」

「うん!だってお友達になりたいから」

その言葉が凄く嬉しかった。

「あ、ありがと…。私みんなと違う所から来て、友達できるか不安だったんだ」

「そうなの?実は私達もそうなんだよ」

「えっ!そうなの!」

「うん、望美ちゃんもそうなんだね!!」

紀葉の笑顔は、自然と私を笑顔にしてくれた。

「これから、よろしくね」

「うん!」

奈々美さん、ちゃんと友達できたよ!最初の友達が。

それからの学校生活は楽しかった。

紀葉と啓太達と遊ぶようになって、他の友達もたくさんできた。

でも、相変わらずお父さんとお母さんとの距離は縮まらなかった。

そして、季節は流れて私は中学一年生になった。