「望美さ、確か明日から学校に行くんだっけ?」

「行かないもん、学校やだもん」

学校なんて行きたくない、知らない人や知らない同い年の子達と仲良くなんて、絶対できないもん。

「でも、学校に行かないと友達できないよ?」

「いいもん、友達は晶ちゃんと沙弥佳ちゃんと佳絵羅お姉ちゃんだけでいいもん」

どうせ、明日の入学式にはお父さんもお母さんも来ないんだから。

「私は見たいな~、望美の入学式」

「え?奈々美さん来てくれるの?」

私の顔に笑顔がこぼれる。

「行くに決まってるじゃない、望美の入学式見なくちゃ」

「奈々美さんが来てくれるなら、私行く!」

私は、奈々美さんに対しては素直になれた。

「本当!」

「うん!お父さんとお母さんが来なくても別にいいや」

当初の私は、そんな考えを持っていることがあった。

「そう…」

私は、奈々美さんが私のお母さんだったら、どんなに幸せなんだろうって、いつも考えていた。