「あっ!望美起きたね」

「奈々美さん?また来たの?」

「来ちゃ悪いの?」

お父さんとお母さんが仕事に行っている間は、いつも奈々美さんが家に来てくれていた。

「お腹空いたでしょ?」

「お母さんが作ったご飯があるからいい」

「そんなこと言わないで、本当に誰に似たのかしらこの性格」

多分お父さんだと思う。

「望美は、何が食べたいのかな?」

奈々美さんは、私に食べたい物を聞いて作ってくれる。

「今日は、シチューがいい!」

「またシチュー?!」

私は、奈々美さんのシチューが大好きだった。

「良いでしょ別に、私が食べたいんだから」

「はいはい」

奈々美さんは、文句の一つも言わずに作ってくれる。

私は、シチューが出来るまで椅子に座って待つ。