妖精の心を貴方に

急に目の前が真っ暗になったせいで、ボールが足に絡まり、俺は勢いよく地面へと転んでしまった。

「痛ってええ!」

慌てて起き上がると、転んだ拍子に膝を擦りむいてしまっていた。

「たく、なんだ今の?」

顔を隠していた紙を右手に持ち裏返して見る。

「なんだこれ?」

その紙は破られていて、何が描いてあるのか分からない状態だった。

「どっから飛んで来たんだ?」

周りを見渡すと、この紙の一部分と思われる紙があちこちに落ちていた。

「誰だ?こんなの捨てたのは」

校舎の方を見ると、三階の一つの部屋に電気がついていた。

「あそこは確か、美術室だったよな?」

ここからだと、誰が居るのかは見えない。