妖精の心を貴方に

☆ ☆ ☆


「よし、今日の練習はここまでだ!」

「はいっ!」

サッカーボールを片付け、コート整備を終えたところで、俺は自分で持ってきていたサッカーボールを取り出した。

「奈津君、また一人で練習ですか?」

「もちろん、玲緒と翔はどうする?」

「僕は今日無理ですね、塾があるので」

「俺も無理だ。今日うちに客が来るからな」

「そっか、なら仕方ないか」

玲緒たちと部室前で別れて、俺は一人グランドへと戻った。

「よし!」

サッカーボールを地面に置き、気合を入れて蹴りだそうとした時だった。

目の前を向いた時、一枚の紙が俺の顔を覆った。

「うわっ?!」