妖精の心を貴方に

俺は、その家の表札を見て驚いたんだけど。

その表札には、「莎々原」と書いてあったからだ。

(いや、そんな訳ないか)

だいたい莎々原なんて名字、その辺にもいるだろうし、一つや二つ見つけたところで、それが望美の家なんて思うわけなく…。

(だけど、ここにはその家が望美の家である事を願っている俺がいる…)

何で俺は、望美の事考えると自分じゃなくなるんだよ、恥ずかしいだけだろこれ!!

告白はもちろんしたいけど!何て言えばいいのか分からないし!

女の子を好きになったことの無い俺だから、ますます分からなくなる!

「何一人でぶつぶつ言ってんだよ」

「なっ!ハヤテまたお前は!」

「聞きたくて聞いたんじゃねーよ、聞こえるんだよ…。そんなに好きならさっさと好きって言えばいいことだろ」

こいつは…、「好き」という言葉の重さを知らないで言ってるな。

「そういうお前こそ、ルルに言ったらどうなんだよ」

「はっ?何でルルが出て来るんだよ?」

「お前ルルの事を好きなんだろ?」

「はぁぁ!そ、そんな訳ないだろ!」

ハヤテは、顔を真っ赤にして否定してくる。

そんな顔で否定されても、納得出来ないんだけど。