妖精の心を貴方に

まっ、あっちに着いても行く相手なんて、居ないけど。

「うーん、やっぱり望美ちゃん誘うべきだったかしら?」

「は、はぁ!?!」

な、何で望美がそこで出て来るんだよ。

「だって奈津は、望美ちゃんの事好きなんでしょ?」

「す、好きだからって、誘う必要な無いだろ!望美だって用事とかあるんだからさ」

終業式の日、俺は望美とはまともに話せなかった。

話せなかったのは、風邪が治って学校行ってからだけど、望美が見舞いに来てくれた時の俺の行動が頭を過ぎって、話せる状態じゃ無かった。

(それに、望美のやつ夏休み中どっか行くとか言ってたしな)

俺は、窓の外を見る。

「まぁ、祭りの件はおじいちゃんたちと行けば?」

「もぅ、本当に可愛くないんだから、風邪を引いていた時が、一番可愛かったかも」

残念だったな、俺は当分風邪は引かんぞ。