妖精の心を貴方に

「良かったら、行ってみない?」

「え…」

お祭りに行けば、中学の友達に会える確率は大きい。

だけど、ここまで来るとやっぱり、会いたくないって気持ちが、大きくなってしまう。

「か、考えておくね」

「そう?」

「それよりほら!見えてきたよ」

すぐ目の前に、おじいちゃん達の家が見えた来た。

「ほんとだ、ここまで来るのに疲れたわね」

「そうだね」

家へと着くと、奈々美さんは木でできた扉を軽くノックする。

「はーい」

中の方からは、おばあちゃんの声が聞こえて、中から出てきた。

「久しぶり、おばあちゃん」

「おぉ!奈々美と望美だね、よく来たな~」

「こ、こんにちは」

私は、深々と頭を下げる。

久しぶりに会うから、緊張しちゃう。