妖精の心を貴方に

「何も変わっていないわね」

「うん、何も変わってない」

私は、目を細めて昔の事を思い出した。

(よくここの道で、追いかけっことかしたっけ)

森に入って隠れんぼしたり、鬼ごっこやったり、たくさん遊んだ懐かしい記憶。

「行こっか」

「うん」

おじいちゃん達の家は、駅から歩いて数分のところにある。

「楽しみなのじゃ」

「なにが?」

「望美のおばあちゃんがくれるお菓子じゃ」

やっぱり、大半はお菓子目当てだよね。

でも、そんな所はルルらしいけどね。

「そうだ、望美!」

「何?奈々美さん」

「おじいちゃんから聞いたんだけど、近々この辺で夏祭りがあるらしいのよ」

「夏祭り?」

そういえば、この時期に神社でお祭りがあったっけ。

「お祭りじゃと!お祭りと言ったら、綿あめやりんご飴があるのじゃ!」

「良く知ってるね」

「前にクレオから本を借りて読んだのじゃ」

何の本を借りて読んだのか、少し気になるけど。