妖精の心を貴方に

玲緒が呆れながら、俺たちのところへと歩いてきた。

「まさか、本当にこの作戦をやり遂げるとは思っていなかったよ」

おいおい、お前が考えた作戦だろ?!

「本当だよ。もし僕じゃなかったなら、決まらなかったかもしれないんだよ?」

「そう言うなって、俺たちは最強コンビだろ?」

「ふっ、そうだな」

俺たちは、互いに笑い出す。

玲緒が司令塔として指示を出し、その指示に従って俺と翔がゴールへとボールを運ぶ。

どっちがシュートするかは、玲緒の作戦内容にもよるけど。

「奈津、玲緒、翔。今日のプレイは最高だったぞ」

「ありがとうございます。恭也先輩」

サッカー部のキャプテンである、泉恭也(いずみきょうや)先輩が、満足そうな笑みを浮かべながら言う。

「やっぱり、今度の試合もお前たちの力が必要になるな」

「何言ってるんですか先輩、弱気になってませんか?」

「そんなわけないだろ?逆に燃えているさ」

やっぱり、キャプテンは熱血だ。