妖精の心を貴方に

(まいっか)

きっと、その変で金平糖でも食べてるんだろな。

私の中では、ルルの事より奈々美さんや友達の事でいっぱいだった。

やっと、向き合えたと言う気持ちが私の中で大きかった。

だけど、まだ向き合うことはたくさんある。

あの町に戻って、私はみんなに会えるのかな?

ちゃんと話せるのかな?

(ううん、違うよね。向き合うって決めたんだもん)

私はそう決心し、チーズケーキを一口口へと運んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「これで、一つ目…」

私は、消えかけている手を握り締める。

「まだあと三つ、それまでもってよ、私の体」

望美の心の中で、「絵を描くことが好き」という気持ちは、薄れ始めて違う気持ちが強く出て来ている。

でも、元々私は「絵を描くことが好き」というはっきりとした気持から生まれた訳じゃない。

最後こうなる事は、生まれた時から分かっていた。

私は、望美の「絵を描くことが好き」という不安定の気持ちから、無理矢理生まれた存在。

だって、もしあの時私が生まれていなかったら、望美は絵を書くことを辞めていたかもしれない。

今のこの状況に至っていなかったかもしれない。