「ねぇ望美、私達望美が自分から言うまで待ってたんだけど…」

「え…」

まさかと思った、だって二人があの事を知る訳がないし、沙弥佳だって私の過去についてなんて…。

「望美、私達奈々美さんから聞いていたの、望美が前に居たい町で何があったのか」

「え…」

言葉が出て来なかった、だって私は奈々美さんに言わないでって、言っていたから。

「最初は話してくれなかったけど、私たちが何度も聞いたら、話してくれたの」

「……。それいつから知ってるの?」

声が震えるのが分かった。

「望美が…。まだ転校してくる前に聞いたの」

そんな前から知っていたんだ、じゃぁ何で言ってくれなかったの?

私のことが可哀想だから?前のことを知って私の事影で笑っていたの?

「何で…。黙っていたのさ…」

私の中で怒りの気持ちが出てきた、だけどそれ以上に悲しい気持ちが大きく出てきた。

「じゃぁ逆に何で、私たちに話してくれなかったの?」

そんなの決まってるよ。

「二人には、迷惑かけたくなか「私達もそれと同じだよ!!」」

「え?!」

その時、二人がいきなり私に抱きついて来た。