あの日から、あっという間に終業式。

「明日から夏休みか〜」

「なんか、あっという間だったね」

終業式が終わった帰り道、私と晶と沙弥佳はそんなことを話しながら帰っていた。

「二人は、どこかに遊びに行くの?」

「う〜ん、私は多分勉強づけの毎日」

「当たり前だ」

アカツキは、あいからわらず容赦ないね。

「沙弥佳は?」

「私は、家族と海にね」

「えっ!いいな〜海!私も連れて行ってよー!」

「あ、はは」

「そ、それより望美は?」

「え?」

私は、足を止めて二人を見る。

「夏休み何処かに行くの?」

「私は…」

二人には言っていない、前にいた学校の出来事。

沙弥佳と晶は、奈々美さんが私を引き取ったから、戻ってきたって思ってる。

「わ、私は久しぶりにおじいちゃんの家に行くことになったの」

「おじいちゃんって?」

「奈々美さんのお父さん、私が前いた町」

私がそう話すと、二人は顔を見合わせて、真剣な表情を私に向けた。

「どうしたの?」