妖精の心を貴方に

「た、ただいま」

「お帰り望美」

奥の部屋から、奈々美さんの声が聞こえる。

奈々美さんのいる部屋へと入り、冷蔵庫から苺牛乳を取り出して、コップに注ぎ一気に飲む。

「そうだ望美、夏休み空いてるかしら?」

「夏休みですか?」

まぁ、部活も特に用事ないし、皆ともなにも約束していないから。

「はい、空いている日は沢山あります」

「そう、なら良かった」

「どうかしたんですか?」

「ふふ、実はね」

奈々美さんは、一通のはがきを私に渡したて。

「おじいちゃんとおばあちゃんから、夏休み遊びに来なさいだって」

「おじいちゃん達が?!」

おじいちゃん達というのは、私のお母さんと奈々美さんのお父さん。

「望美が良ければ、しばらくあっちに行くけど…」

奈々美さんは、分かっているはずだった。

だって、あの町にはいい思い出なんて一つも無いんだから。