妖精の心を貴方に

【望美】

「はぁ、びっくりした」

帰り道、私は深い溜め息をついていた。

「奈津のお母さん、絶対気づいてるよね」

「望美~待つのじゃ!」

「ルル!」

そうだ、ルルの存在忘れてた。

「もぅ!どこに行ってたのよ?」

「うん、ちょっとね」

「ルルの居ないせいで、大変だったんだからね」

「そうなのか?でも私とハヤテが居ない分、二人でラブラブできたじゃろ?」

ラブラブという言葉を聞いて、私の頬は熱くなる。

「ルル!」

「わー!望美が怒ったのじゃ」

「もぅ!ルルの馬鹿!早く帰るよ」

「分かってるのじゃ」

再び歩きだそうとしたとき、ルルは止まると、自分の手を抑えた。

「どうしたの?」

「え?!な、何でもないのじゃ」

「そう?」

なら良いけど、まぁ大したことじゃないだろうし。

私は、この時そう思っていた。

「もう少し、待って欲しいのじゃ」

ルルは、薄れていく自分の手を私に見られないように、優しくさすっていた。