妖精の心を貴方に

【奈津】

「はぁ…」

まじ驚いた、まさかノック無しで入ってくるとわ。

それに、俺のさっきの行動は何だよ。

「反省しないと」

俺…。望美にキスしようとしたよな。

あんな事するつもりなかったのに、「俺だけ見ててほしい」とか、あんな恥ずかしい言葉まで口にして。

「今すぐ消えたい」

望美驚いたよな、学校に行ったら謝った方がいいよな。

「ねぇ奈津」

望美を見送った母さんが、俺の部屋へとニヤニヤしながら入ってきた。

「なんだよ…」

「元気になって良かったよ」

「は?」

「うん、顔色も良いし。望美ちゃんのおかげかな?」

な、何を考えてるか知らないけど。

「ま、まぁ結構寝てたから、熱も引いたんだよ」

「へー」