妖精の心を貴方に

「な、奈津!」

な、何か今日の奈津様子が可笑しいよ!!

風邪のせいで可笑しくなってるのかな?!

そんなこと考えても、奈津の顔は近づいてくる。

(き、キスなのかな?)

奈津の顔も私の顔も、互いに赤くなっている。

私は目を閉じた。

それを見た奈津自身も目を閉じて、顔を近づける。

そして、奈津は私の唇に自分の唇をゆっくりと落とそうとした時。

「ただいまー」

下の方でそう声が聞こえた。

「げっ!」

「ひゃっ…」

その声に驚いた時、奈津の部屋の扉が勢い良く開けられた。