妖精の心を貴方に

【奈津】

「奈津!行ったぞ」

「ほい来た!」

玲緒が蹴ったボールが俺のところへと飛んで来る。

「よっと」

飛んで来たサッカーボールを胸でキャッチし、そのままゴールに向かって走り出す。

「こい、奈津!」

「手加減しませんよっ!」

俺は、思いっきりボールを蹴った。

「ははっ。奈津、そんなボール簡単に取れるぞ」

先輩は軽く笑うと、俺が蹴ったボールの方向へと足を動かす。

「せーんぱい、周りよく見たほうがいいですよ」

「な、何だと?」