妖精の心を貴方に

「前に公園で望美の絵を見た時、思ったんだよ、あの絵は望美が描いたんじゃないかって?」

「で、でも……」

「正直に言えよ」

奈津の握っている手に力が入る。

どうしよ、これって言ったほうがいいの?でも、言ったところで何もならいし…。

「望美…」

奈津が優しく私の名前を呼び胸が高鳴る。

それに負けた私は、ゆっくりと口を開けて話す。

「…。あの絵は、奈津の言うとおり私が描いたの」

「やっぱり、でも何で破り捨てたんだ?」

そのことを聞かれ、別の意味で胸が高鳴る。

「そ、それは…。私が気に入らなかったから」

「え?」

「気に入らなくて、奈津をモデルにしていた絵を破いたの……」