妖精の心を貴方に

「玲緒や翔に相談するってのもな」

まだあの二人には言っていない、俺が望美の事を好きだってこと。

「言ったら言ったで、何か言われそうだけど」

とりあえず立ち上がり、棚から紅茶をだし、コップと砂糖と湯の入ったポットを持って、俺は自分の部屋へと行った。

部屋に入ると、ベッドの近くで望美が正座をしながら、俺の部屋の中を見回していた。

「どうした望美?」

「へ?!」

俺の存在に気づいて居なかったのか、声をかけたら驚かれた。

俺って、そんなに存在感薄いかな………?

「ちょっと……ね」

そのちょっとが気になって仕方がない。

「男の部屋に来るの初めてだから、想像していたのと違ったから」

「どんな部屋を想像していたんだよ…」

机の上にコップ等を置き、俺はベッドの上に座る。

「………」

「………」

その後、会話が続かなくなり少しの沈黙感が漂った。

(な、何の話をすれば良いのか分からない…)

俺は、話のネタを頭の中で必死に探した。