妖精の心を貴方に

「何だ、起きてたのか?」

「あっ!ハヤテ……」

少し開いていた窓の隙間から、ハヤテが部屋の中へと入ってきた。

「学校…行ってきたんだろ?」

「あぁ、行ってきたよ。ちゃんと見張っておいたけどな」

見張るって、誰を見張っていたんだ?

「まぁ、丁度良く起きててくれてよかったよ」

「え?」

「ちょっと外でさ、お客さんが来てるんだ」

「お客さんって、配達か何かか?そんなんならまた後にしてくれないか?俺動きたくないし」

そう言い、布団を深くかぶる。

「配達じゃないよ…、奈津がよく知っている子だよ」

「知っている子?」

俺の頭の中で、真っ先に出てきたのは翔と玲緒だったけど、あの二人がわざわざ見舞いしに俺の家まで来るはずない。