妖精の心を貴方に

「心配なんでしょ?奈津君のこと」

「そ、それはそうだけど……、風邪で休んでるんだし、お見舞いに行ったら迷惑なんじゃ?」

「奈津さんが、そんなこと思わないと思いますが」

咲楽が読んでいた本を閉じて言う。

「で、でも……」

「奈津は、望美が来てくれた方が、直に
元気になると思うけど」

ハヤテが小さくそう呟く。

「え?」

「もぅ!悩んでないで放課後ハヤテと行きなよ」

「………う、うん」

放課後に奈津の家にお見舞いに行くと決めた私だけど。

奈津の家になんて行ったことないし、絶対心臓が保たないよ!!