妖精の心を貴方に

私が美術部でこんなことになっているのは、晶と沙弥佳には話していない。

二人に心配させたくないし、迷惑かけたくなかったから。

するとルルは、優しく微笑むと言った。

「いくら酷い扱いされてきても、望美は絵を描き続けてきていたのじゃ。それは、絵を描くことが誰よりも好きだったからなのじゃ」

その言葉を聞いた私は、ルルへと視線を戻す。

「絵を描くことが嫌いなら、ここまで続けてきてはいないし、私は生まれてこなかったのじゃ」

ルルの言った通り、私が絵を描くのを辞めなかったのは、絵を描くのが小さい頃から大好きだから。

大好きな人を描いていたいと思ったから。

「これから、一人で悩まず私に言って欲しいのじゃ」

「ルル……」