「……。風邪がなんだって言うんだよ」

「奈津、休みたくない気持ちは分かるけど、今日は本当に家に帰って」

「望美…」

風邪を一度もひいたことがない奈津だからこそ、これ以上悪化させないで安静にしててほしい。

「望美さんの言うとおりにしろ」

「……分かったよ」

「良かった」

奈津は、机にかけてあったかばんを手にとった時、また奈津の体が大きく揺らいだ。

「奈津!!」

そして、奈津らそのまま倒れこんでしまった。

「な、奈津!!」

私と神無月君が、奈津の近くに寄る。

「たく…、望美さん先生を呼んできてください」

「う、うん」