「大丈夫だよ…、ただ目眩がしただけだから」

奈津は、私にはそう言って歩き出そうとするけど、それを神無月君が辞めさせた。

「奈津、今日はもう帰ろ。そんな調子で部活に出たって先輩方の邪魔になるだけだ」

「…そんな事ねーよ…」

私はまた、奈津の顔が赤くなってるのに気がついて、奈津の側まで行き、おでこに自分の手を当てた。

「望美?」

「奈津…、もしかして熱あるんじゃない?」

「「熱?」」

「てことは風邪か」

「いや、俺今まで一度も風邪なんて引いたことないんだけど…」

い、一度もって!どんだけ健康な体なの!

「でも、望美さんの言うとおり風邪かしれない。最近の奈津は無理しすぎたな所もあるし、疲れが溜まっているんだろ?」