妖精の心を貴方に

「へー、奈津の妖精なんだね」

「俺のこと知ってるのか?」

「うん、だって近くに居たよ」

てことは、後半戦が始まる前の出来事を、この妖精も見ていたってことなのかよ。

「まぁ、よろしくねハヤテ」

「うっ……」

ハヤテの顔は、更に赤くなった。

「べ、別によろしくなんて……」

もしかして、ハヤテのやつ。

「だって、私と同じ夏の時期に生まれた妖精だよ、仲良くしようよ」

「……。分かったよ」

何か、この場に俺達が居ていいのか分からなくなった。

「ま、まぁお互いによろしくな」

「うん、それじゃ私帰るね」

「一人で大丈夫か?」