妖精の心を貴方に

「いけー!」

俺の蹴ったボールは、ゴールキーパーの手の先を軽く掠めると、勢い良くゴールへと入り編みを引っ張った。

「ピー!」

俺の入れたシュートで、桜中は楓中に追いついた。

「よっしゃー!」

俺は、空に向かって右腕を上げる。

「やった…」

「凄いよ奈津君!」

俺は、望美の方へと視線を向けた。

(やったぜ、望美!!)

望美は俺の視線に気づき、優しく微笑んでくれた。

やっぱり、望美には笑顔が一番似合う。

そんなことを思っていると、俺の近くに大國が来た。

「まさか、全員抜くなんて思ってなかったよ……奈津」