【奈津】

「………」

「………」

俺がボールを蹴って上がっていると、俺の目の前に大國がおれの目の前に立ちはだかった。

「さっき、何処に行ってたんだ?」

「頭冷やすためさ」

「ふ〜ん、でも頭を冷やしたからってどうにかなるなんて「なるさ」」

大國は、驚いた表情で俺を見てくる。

「俺はさっきまでの俺とは違う」

「……、お前の言うとおり雰囲気は変わったね」

「あぁ、ちょっと色々とあったもんでね」

俺達は、更に睨み合う。

「でも、勝つのは俺だ」

「その前に、一点決めないとね」

睨み合っていた俺達は、先に大國が動き出し俺からボールを奪い取ろうとする。

「簡単に取らせるわけないだろ」

俺達の足の間で、ボールが転がる。