【望美】

奈津がいつもの奈津に戻ってくれた。

「お帰り望美、どうだった小早川は?」

「もう大丈夫だよ、奈津なら勝てる」

「これは、何かあったかもですね」

「な、何もないよ……!」

完全には否定できないな、だってあんな事があったんだもん。

思い出すだけで顔が赤くなる。

「やっぱり、気配がする」

ルルは、さっきから気配がどうとかって言ってる。

「どうしたのルル?」

「リンあのね、さっき妖精の気配を感じたのじゃ」

「それは、新しい妖精のことか?」

「クレオの言うとおり、そうかもしれないのじゃ」

ルルは、奈津達の方へと視線を向けた。

「多分もう生まれてる」

「どうするの?会いに行く?」

「…いいや、どうせ直ぐに会えると思う」