奈津にお弁当を渡し終えた私は、みんなが居る席へと戻った。

「あ、お帰り望美」

「ただいま」

沙弥佳の隣に座り、向かい合っている選手たちを見つめた

「むむむ……」

するっと、隣に座っている沙弥佳が不満気な声をあげた。

「どうしたの沙弥佳?」

「沙弥佳のやつ、さっきからこんな感じなんだ?、何を聞いても教えてくれないし」

晶は、困った顔をしながら前を向いた。

私は、沙弥佳の隣に居るカラに聞いてみることにした。

「カラ、沙弥佳は何を考えいるの?」

『情報ミスがあったんです』

「情報ミス?」

カラは、対戦校の選手の一人をじっと見ていた。

私もその先に視線を動かすと、まさかと思い目を見開いた。