「そろそろだね」

「ああ。今日は、応援に来てくれてありがとう」

俺は、望美に優しく微笑んだ。

そんな俺の顔を見た望美は、少し頬を赤くすると包を差し出した。

「あのね、良かったら食べて」

「これは?」

望美は、持っていた箱を俺に渡す。

「お、お弁当」

「えっ!望美が作ったのか?」

「う、うん。上手く出来ているか分からないけど」

照れる望美の姿を見て、頬が熱くなるのを感じた。

「ありがとな。このお弁当食べて、今日の試合頑張るよ」

「うん!頑張ってね」

「おーい!奈津何してんだ?」

外から恭也先輩の声が聞こえてきた。

「やっべ!それじゃあ、またな」

「うん」

望美から貰った弁当を鞄の中にしまい込んで、俺は恭也先輩たちが集まっているグランドへと向かった。。