「良い情報力を持った子だったから、是非サッカー部のマネージャーになってくれと、頼んだんだけどな」

確かに、夏村の情報力は凄けどマネージャーになられるのは……。

「しかし、今は頑張りたいことがあるのでってことで断られたんだ」

その言葉を聞いて安堵した。

確かに、夏村がマネージャーになってくれたら心強いかもしれないけど、俺たちの情報や秘密を探られそうで怖い。

こんな事を思うの、夏村には悪いけど。

「キャプテン、そろそろ時間です」

「分かった。よし、行くぞ」

キャプテンは、控室の扉を開けて出て行く。

「さて、頑張りますか」

「そうだな、咲楽たちも見に来ていることだし」

俺たちも三人揃って控室を出ようとした時だった。

「な、奈津」

「ん?」

後ろの方で名前を呼ばれ振り返ると、そこには見知った人物が立っていた。

「の、望美!」

望美は、布で包んである箱を持ちながら俺のところへと駆け寄ってきた。