『頭を妄想に使っているなら、勉強の方にも使うように心がけたらどうだ?』

空中で教科書を読んでいるアカツキが言われ、私は肩を落とした。

アカツキの言う通り、次からは勉強の方に頭を使う心がけよう……。

「カラ、今日の小早川君たちの対戦相手ってどこなの?」

『私が調べた情報によると……。奈津さんたちの相手は、去年の大会でベスト8に入ったチームです。でも、今の奈津さんたちなら勝てると思いますよ』

「さっすが、調べが早いね」

『情報を集めるのが、仕事なので』

カラは、自慢げに胸をはった。

「なあ、そんな情報調べてどうするんだよ?」

「えっ?」

前の方から声がして、私たちの視線がそちらへと動く。

「えっと、どちらさま?」

「別に名乗らなくてもいいだろ?」